土曜日, 8月 29, 2020

石匙

さて、今日は超久しぶりにナイフのお話。
タイトルにも書きましたが、石匙の話です。
先ずは石匙ってどう読む?「いしさじ」または「せきひ」と読むそうです。
そもそも…石匙って知ってますか?。
縄文草創期から弥生時代まで使われた個人所有のユーティリティーナイフです。


さて、写真のペンダント、石匙と何が関係ある??(ネタがバレバレ?)。
チョット長くなるので、続きは下をポチッとな!。
続きです。
もうお判りと思いますが、このペンダントは仕込み?ペンダント。
中に石匙が入っています。
この石匙。江戸時代に「天狗の飯匕」、「狐の飯匕」…天狗や狐のスプーン?と文献に載り、それが明治になって正式に「石匙」という名前になったそうです。
特徴はチョット括れた突起がある事。
写真でもお判りと思いますが、この括れた所に紐などを結って使っていた様です。


形は今回載せている台形のタイプや、横に幅広のタイプ、縦長タイプ、今のナイフの様な先の尖ったタイプなど色々あった様です。 
 
ところで、話は変わりますが、縄文時代ってとても長いんですよね。
今から16000年前から3000年前くらい…1万年以上続いた時代となります(時代の長さについては諸説あります)。なので、この石匙も1万年以上の長きに渡り使われた事になります。1万年ですよ…。それも紀元前1万年前!!。
あと、この1万数千年の間、争いの痕跡は見つからないとの事です。皆さんご存知の通り、火焔土器や遮光器土偶、漆などを使った工芸品もたくさん出土して、独特の文化が作られた安定した時代の様です。天下太平と言われた江戸時代でも200年ですからね。
前に造った「シャーマン」という石器ナイフの時から、縄文に惹かれてます。
色々文献も揃えたりして、ボチボチとお勉強しております。
 
さて、話を元に戻します。
この石匙、何に使っていたか、本物の出土した物を顕微鏡で拡大して、使用した痕跡を調べたら、主に植物等を切っていた様です。他に獲った獲物の解体など、広く使われていた様です。


使い方は、こんな感じ?。紐を小指辺りで絡めて持つと安定して使えます。
私はネックレスタイプとして長い紐を付けましたが、文献やネットなどの解説によると10〜15cmくらいの輪状にした紐を付けて使っていたのが主流の様です。


さてさて、私の作った石匙、もちろん石ではありません。石器風と同じく、鋼材(SUS 440c)を削って作っています。
写真のは厚さ3mmから削り出したモノ。実物から比べるとバランス的には若干薄めに感じますが、使うには問題ありません。
刃は…普通の刃を付けてしまっては面白くないので、見ての通り「石器風」にワザとギザギザの刃を付けてます。実際の切れ味は…下の写真の様に、結構サクッと普通に切れます。まぁ場所によっては引っかかって切れ難い所もあるので、刃付けに付いては現在改良版を思案中…です。
あと、もうチョット「石」風に削れないか削る方法やものなど試行錯誤中です。

 

さて、石匙について色々書いてきましたが、ホームページにもう少し詳しく載せてあります。
ホームページは上にリンクも貼ってありますが、一応コチラをクリックして下さい。
興味のある方は覗いてみて下さい。 
 
ではでは、今日はこんなところで。

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